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マンスリーマンションについて

個人的には地価はまだまだ下がると考えている。
理由は山ほどある。
国の持ち家政策が住宅の過剰供給を生む。
大都市の人口が減少する。
膨大な市街化区域内農地の宅地化が始まる。
大量の企業用地(社員寮や工場跡地など)が放出される。
国や自治体も大量の塩漬け土地を抱えている。
金融機関による担保不動産の処分が進む。
店舗・オフィス用ビルが余るようになる。
需要を無視した供給重視の政策が続いている。
収益還元法の普及で土地評価法が一変する。
地価を反映しない住宅が増える。
ざっと拾い上げただけでもすぐにこれだけ出てくる。
これらはその多くが構造的なもので、いわば地価下落の不可避の要因である。
目先の景気や需給を云々して「地価はそろそろ下げるきまり」とか「大底圏にある」とか重箱の隅をつつきながら虫眼鏡で見るような議論があるが、二〇年、三〇年のスパンで考えれば、かつてのように地価をグイグイ押し上げる要素など、どこをどう探したって出てこない。
だから、もしいまマイホームを買おうかどうか悩んでいる人がいるなら、「急ぎなさんな。
じっくりお待ちなさい」と声を大にしていいたい。
待って損は、絶対にない。
立地によって異なるが、マンション価格の四割を土地代とすれば、四〇〇〇万円の物件で一六〇〇万円。
地価が一割下落すれば、物件価格は〓八〇万円、二割下がれば三二〇万円安くなる計算だ。
先にも述べたが、拡充された住宅ローン控除の減税効果など、将来の値下がり分を考慮すれば、何も「いま貰わないと損する」と慌てて買い急ぐほどのことではないのだ。
戸建て・マンション価格は、バブル崩壊以後、地価下落の影響で、後になればなるほど割安の物件が供給されてきた。
この傾向は間違いなく今後も続く。
デフレ時代はじっくり待てば待つほど安い買い物ができる。
次に「地価もまだ下がる理由」をじっくり検証してみよう。
モノの値段が下がってお金に価値がでてくるこれがデフレの基本中の基本だ。
まずは、あと七年もすれば、この国は空前の(家余り時代)に突入する。
少子化が止まらない。
女性が生涯に産む子供の数(合計特殊山生率)が減り、八九年には八一・五ショック)と騒がれたが、92年には一・三九と史上最低を更新した。
欧米先進国の出生率は概して低いから、我が国も仲間入りしたのか、くらいに軽く考えていたら、とんでもなかった。
国立社会保障・人目問題研究所のUU本将来推計人口(中位推計、一九九八年一〇月)によると、日本の総人口は二〇〇七年に.億二七七八万人でピークに達し、それから少なくとも一〇〇年以上は減り続け、二一〇〇年には現在の約六割の六七〇〇万人に減るという。
日本の人口は一〇〇年以上減り続ける。
この事実は重い。
少子化で人口が減れば、当然、住宅需要も減る。
そうなると地価の上昇など描きようがない。
(人目の減少1住宅需要の減少1地価の下落)。
人口減がもたらす地価下落のシナリオは単純明快だ。
これまでの住宅地価の推移は、マイホームの収得を考える三〇、四〇代の世帯数の増減と密接な関係があった。
この年代の世帯数が増えれば地価は上昇し、減れば下がる傾向にあった。
といっても戦後から現在まで、微変動はあっても本格的な世帯数の減少は経験していない。
だから地価の下落といっても基本的には右肩上がりのラインのなかでの、いわば株価の「押し目」のような動きだった。
しかし後一〇年もすれば、これまで経験したことのない、人口減にともなう持ち家世帯の本格的な減少が始まる。
口本の総世帯数は二〇一四年に四九二九万世帯でピークを打ち、以後減少に転じるとされるが、持ち家世帯の減少はそれより早い二〇一〇年頃から進むと見られている。
現在、大学を受験する世代が減り始めているが、この波が三〇、四〇代の持ち家世代にさしかかるのが、ちょうどその頃と考えればいい。
世帯数の減少は過去の微変動のときでさえ地価動向に影響を与えた。
一〇年後に始まる本格的な大変動が地価に与える衝撃は、無論、これまでの比ではないだろう。
そもそもこの世代の多くは、少子化の先駆けで、その多くは一人っ子だ。
しかも親の世代はたいていマイホームを確保しているから、一人っ子同士が結婚すれば、両方の親から家がもらえ、長男長女の二人っ子同士が結婚しても、どちらかの親から家がもらえる。
すでに六五歳以上の世帯では八九%が持ち家なのだ。
住宅金融普及協会の調べ(一九九〇年)によると、首都圏と近畿圏で現在家を所有していない人のうち相続で持ち家を取得する可能性のある人の割合は、二〇~三〇歳代で六〇~七〇%にのぼるとみられている。
いずれ親の家が手に入るなら、何も無理して何千万円も借金することはない。
最近は一人っ子同士の結婚でも親との同居を嫌い、マンションなどを購入するケースが増えているが、今後の雇用や老後の不安などを考えると、過大な住宅ローン負桝を避けるために、「親と同居するのは嫌だが、家はほしいので、相続が発生するまでは(あるいは介護などの世話が必要になるまでは)親と離れて賃貸で暮らす」1というパターンが増えている。
いずれにしろ少子化が進み、人口の減少が始まれば、住宅需要は細り、家が余るようになる。
このことが地価を押し下げる圧力になるのは間違いない。
そしてこの(家余り)をさらに加速させることになるのが、国の住宅政策だ。
一国の持ち家政策が住宅の過剰供給を生むこの国の住宅政策は戦後一貫して景気対策であり、持ち家を中心に(量)を確保し、(数)を追うことに最大の力点が置かれてきた。
同じように戦災で大量の住宅不足が生じたヨーロッパ諸国は「住宅のナショナルミニマムは国が保障する」という立場から住宅政策の中心を公営の賃貸住宅に置いた。
ところが日本は「自助努力で家を持つのが男の甲斐性だ」という政策をとった。
その原点の一つといわれるのが、一九五一年に福祉的色合いの強かった厚生省の「厚生住宅法案」を漬す形で登場した建設省の「公営住宅法案」で、その成し暗には当時三二歳の青年代議士にして田中上建工業の社長だった故田中角栄元首相が大きく関わったといわれている。
後に建型政治の頂点に君臨した天才政治家は、持ち家政策の効用について次のように述べている。
「第一に、家を買う前は貯蓄をするから大蔵省や銀行が儲かる。
その金を産業などに使える。
第二に、家を貰うとデベロッパー、建築業者、不動産業者、仲介業者が儲かる。
住宅資金の貸付で銀行が儲かる。
不動産取得税、登記税が政府に入る。
第二一に、家を所有している間は自治体に固定資産税、都市計画税が入る。
第四に、売買するとまた仲介業者が儲かる。
税金が入る。
第五に、持ち主が死ぬと相続税が入る国にしてみればこれほど都合のいい話はない。
戦後を通じて持ち家政策を強力に推進してきたのも当然で、いまや円本には関連業種約一五〇業種、事業所数的」二〇万社(非農林水産業の事業所全体の約八%)、従業員数約一.〇〇万人(同約三一%)という製造業、サービス業全体に比肩するような巨大な住宅関連産業が生まれた。
住宅建設は、木材、化学、鉄鋼、電機など他の産業分野と広範な取引を必要とするため、経済波及効果は住宅投資額の二倍以上といわれている。
その誘惑にかられ、やたらめったらと家をつくり続けてきたのが戦後日本の住宅政策で、その日的は一にもニにも数を建て、景気を刺激し続けることだった。

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